高校生は何を学んだか
『はまゆうキャンプ』は、福祉の基本的な価値や態度を体験学習で学ぶ場だ。
3日間という短い期間であるがインパクトはかなり強いようだ。高校生たちにとって福祉ということは
普段あまり関心のあることではない。だからよけいインパクトが強い。キャンプを体験して、高絞生たちは、
支えを必要とする多くの人に接することにより、多くの思いと共に、自分を考え、人間を考え、何をすべきか、
何ができるかを考えているようだ。
第1回の昭和51年から数えて本年は第25回目になるが、『はまゆうキャンプ』の体験者は、通算で3500人になろうとしている。
卒業後、福祉の方面に進む人も多くなっている。すでに施設で管理業務に就いた人もいる。キャンプ体験後、
ボランティア活動を始め、社会人になっても続けている人も多い。
なかには、グループをつくって障害者等を対象にボランティア活動を行っている人たちもいる。
学校側からは、「わずか3日か4日で自分の進路を決めて・・」という声も聞こえてくるが、彼らは『はまゆうキャンプ』で
人とふれあい、自分のささやかな行為が頼りにされ、喜ばれ、感謝されて、学校では味わえなかった感動を味わい、
自分が役に立つことを見出した。自分自身を見出した。そして自分が何をやるべきかを考えたのであろう。
7月26日(水)
9:00 |
集合・開会式 |
9:30 |
オリエンテーション
1、老人対応
2、車椅子対応
3、形態別食事内容 |
10:45 |
施設見学 |
11:00 |
施設見学(誕生会に参加) |
11:45 |
昼食準備〜
※配膳・食事介助
|
12:30 |
休憩 |
13:30 |
班別に行動
お年寄りとコミュニケーション |
14:00 |
レクリエーション |
15:00 |
おやつ
※配布・介助 |
15:30 |
反省会 |
16:00 |
解散 |
|
7月27日(木)
9:00 |
集合
班別に行動
※お年寄りとコミュニケーション
外出者の準備(整容・整髪等) |
10:30 |
ホーム出発(外出・買い物) |
11:30 |
ホーム帰着予定 |
11:45 |
昼食準備〜 ※配膳・食事介助
|
12:30 |
休憩 |
13:30 |
班別に行動
※お年寄りとコミュニケーション |
14:00 |
特浴
※ドライヤーかけ・誘導・コミュニケーション等 |
15:00 |
おやつ
※配布・介助 |
15:30 |
反省会 |
16:00 |
解散 |
|
7月28日(金)
9:00 |
集合
班別に行動
※お年寄りとコミュニケーション
外出者の準備(整容・整髪等) |
10:30 |
ホーム出発(外出・買い物) |
11:30 |
ホーム帰着予定 |
11:45 |
昼食準備〜
※配膳・食事介助 |
12:30 |
休憩 |
13:30 |
班別に行動
※お年寄りとコミュニケーション |
14:00 |
一般浴
※ドライヤーかけ・誘導・コミュニケーション等 |
15:00 |
おやつ
※配布・介助 |
15:30 |
閉会式 |
16:00 |
解散 |
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<今後に向けて>
今後に向けて
『はまゆうキャンプ』は、その時々に合った変革をしながら、25年の歴史を刻んできた。キャンプ卒業生は、今どうしているのかと、
ときどき思う。ハンディのある人たちのよき理解者となって、やさしいまなざしで地域を見ているかな、と思っている。
『はまゆうキャンプ』は、福祉の専門家を養成しているわけではない。しかし、キャンプ体験をし、「有意義であった。はい、終わり」
では寂しい。今、家族形態の変化や人間関係の希薄化が懸念されている。福祉の現実を見つめ、人と人とのふれあいや共生の大切
さ、さらには、他人の心の痛みがわかり、他人の幸せを願うことのできる人であってほしいと切望している。
そして、なんらかの形で福祉に携わってほしいと考えている。自分ができる範囲で、ボランティア活動をするなど、目に見える形で、
実践してほしい。みんなが安心して暮らせる地域づくりに率先努力してほしい。
『はまゆうキャンプ』は、体験して学ぶことを基本に、
地域福祉に貢献できる人材を育てるべく、その時代の要請に合った変革をしながら続けてきた。われわれは、
今何をすべきかを自らに問いつつ、『はまゆうキャンプ』を続けていきたいと考えている。
図表
高校生福祉体験学習(はまゆうキャンプ)年度別参加者数
|
回数 |
年度 |
参加人数 |
合計 |
協力施設 |
参加高校 |
男 |
女 |
第1回 |
昭和51年度 |
4 |
18 |
22 |
1 |
3 |
第2回 |
昭和52年度 |
1 |
54 |
55 |
2 |
4 |
第3回 |
昭和53年度 |
4 |
61 |
65 |
2 |
4 |
第4回 |
昭和54年度 |
11 |
88 |
99 |
3 |
5 |
第5回 |
昭和55年度 |
7 |
75 |
82 |
3 |
5 |
第6回 |
昭和56年度 |
7 |
140 |
147 |
4 |
12 |
第7回 |
昭和57年度 |
26 |
133 |
159 |
5 |
13 |
第8回 |
昭和58年度 |
22 |
121 |
143 |
5 |
15 |
第9回 |
昭和59年度 |
16 |
50 |
66 |
5 |
12 |
第10回 |
昭和60年度 |
18 |
78 |
96 |
5 |
13 |
第11回 |
昭和61年度 |
35 |
107 |
142 |
5 |
18 |
第12回 |
昭和62年度 |
24 |
155 |
179 |
8 |
18 |
第13回 |
昭和63年度 |
16 |
111 |
127 |
8 |
16 |
第14回 |
平成元年度 |
20 |
125 |
145 |
8 |
15 |
第15回 |
平成2年度 |
13 |
91 |
104 |
7 |
13 |
第16回 |
平成3年度 |
11 |
97 |
108 |
8 |
15 |
第17回 |
平成4年度 |
13 |
132 |
145 |
9 |
15 |
第18回 |
平成5年度 |
15 |
103 |
118 |
10 |
18 |
第19回 |
平成6年度 |
32 |
147 |
179 |
11 |
17 |
第20回 |
平成7年度 |
28 |
148 |
176 |
11 |
18 |
第21回 |
平成8年度 |
23 |
169 |
192 |
13 |
16 |
第22回 |
平成9年度 |
24 |
171 |
195 |
10 |
17 |
第23回 |
平成10年度 |
18 |
214 |
232 |
14 |
17 |
第24回 |
平成11年度 |
19 |
221 |
240 |
14 |
17 |
第25回 |
平成12年度 |
20 |
204 |
224 |
14 |
17 |
合計 |
427 |
3,013 |
3,440 |
185 |
333 |
|
- 私がみなさん(施設利用者)にあげた心のプレゼントよりも、みなさんが私にくれた心のプレゼントは比べ物にならないくらい大きかった
です。
-
私なんかが何の役に立つのだろうと思っていたけど、最後の日に握った手をはなさないまま「さみしいね。もう行っちゃうの」と
言ってくれたのを聞いて嬉しく思いました。体験したことのない3日間でしたが、将来、人の役に立つ仕事をしたいと思っています。
-
私がキャンプに参加したきっかけは、あるテストの面接の時に、ボランティア活動の経験があるということを言いたかったからです。
でも、今はそんなことはどうでもいいと思っています。そんなことよりももっと大切な心のふれあいや思いやりなど、実際に体験し
てみなければわからないことをたくさん学ぶことができたからです。
これからもボランティア活動をしたいです。
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3日目、慣れてきたせいか、小さな子どもたちが「お姉さん、お姉さん」とくっついてきました。保育の仕事は大変だなと思い始めていたの
ですが、こんな幸せな思いもするんだと思いました。抱き上げたいと思いました。
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お年寄りの整髪を手伝う。 |
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