介護保険開始3年後に感じたこと

介護保険が始まって3年が過ぎました。
最近、定着してきた感のある横須賀の介護保険について、横須賀市役所長寿社会課介護保険担当の方に、ちょっとお話を聞いてみました。

Q 介護保険制度が始まって、3年が過ぎようとしています。横須賀市民のみなさんへの、介護保険制度の浸透度や、評判は、どうですか?
また、横須賀市では、65歳以上の方の介護認定率は開始当初より伸びているのでしょうか?
A
<横須賀市役所介護保険担当>
制度が始まった平成12年4月の時点では、65歳以上の高齢者数7万4235人に対して要介護認定を受けている方は7009人で、認定率は9.4%でした。
平成14年10月では、高齢者数8万2141人に対して、要介護認定を受けている方は9275人で、認定率は11.3%となっています。このことから、介護保険制度は市民の皆様に浸透してきていると考えています。

Q 横須賀市は広いまちですので、介護保険の手続き等を、各行政センターや役所屋でもできたら、わかりやすくて、便利だと思うのですが…。
A
<横須賀市役所介護保険担当>
確かに、身近な場所で手続きができることは便利ですが、介護保険の要介護認定の申請は、単なる手続きだけではないと考えています。
どのような状態で何が必要なのか、介護保険以外にも適切なサービスがあるのではないか、といったことも併せてご相談させていただいています。
そのため、専門的知識をもった職員がいる市役所の長寿社会課と4つの健康福祉センターを要介護認定の手続き窓口としているのです。

Q お年寄りの中には、介護保険サービスの利用を拒否する方がいて、困っている家族の方もいるのではないでしょうか?
A
<横須賀市役所介護保険担当>
「高齢者が、「介護は家族が行うもの」と考えていて介護保険を拒否しているので困っている」というご相談はあります。
そんなときは、「サービスは利用しなくても、せっかく介護保険ができたのだから、手続きだけはしておこうよ」ともちかけて、まず要介護認定をして、次に「せっかく要介護認定を受けたのだから、ためしに1回、デイサービスに行ってみない」、というように、ご家族と、徐々に説得していくということがあります。

Q 介護保険が快適になるかどうかは、ケアマネジャー次第といっても過言ではありません。買物と同じで、知名度があり、安心感のある事業所のケアマネジャーというのは、人気があり、忙しく、「かゆいところに手が届く」という具合にはいかない場合も多いようです。
まだ、有名でなく、空いている事業所のケアマネジャーでも、一生懸命やってくれる人もいます。
介護保険に慣れてきて、ケアマネジャーに「あれっ?ちょっと望んでいる対応と違うかな?」と感じだされた方も多くなってきているのではないでしょうか?
もちろんケアマネジャーは代えることが出来ます。そこで、「こんなケアマネジャーは良い、悪い」というのはありますか?
A
<横須賀市役所介護保険担当>
なかなか難しいお話です。人が人にするサービスなので、判断基準も人によって様々だと思います。ただ我々としては、「今はベッドに寝たきりだけど、1年後には食事の時だけでも、起きあがって食べられるようになりたいですね。そのためには、このようなサービスを利用して…」というように中期的な目標を提示できるケアマネジャーが良いのではないかと考えています。
多くの方は、ケアマネジャーは、希望どおりにしてくれる人が「良い」、してくれない人は「悪い」というイメージを持たれているかもしれません。
しかし「なんでも、望みどおりにしてくれる」のが「良い」のではなく、希望を聞き、その希望をくみながら、専門家としての見地で、その方にあった最善のケアプランを立ててくれるのが、良いケアマネジャーといえるのではないでしょうか。

Q 特別養護老人ホームの待機者に関してですが、下図のような「からくり」もあったり、また、県外、市外の方の利用者も多いと聞きますので、判断は難しいと思いますが、今後の見込みはどうでしょうか?
A
<横須賀市役所介護保険担当>
要介護1以上の認定を受けていれば入所の手続きをすることは可能ですし、複数の施設に申し込むことも可能です。
そのため、各施設ごとの待機者数というのは、かなり大きな数字となっています。
しかし、ご指摘のような「からくり」や一面の一覧表のように新しく施設ができてきますので、各施設ごとに入所を待っている人数は実際には減ることになるのではないかと思っています

Q 横須賀市ではショートステイ(短期入所)が相変わらず人気のようですね。
A
<横須賀市役所介護保険担当>
そうですね。ただ、平成14年度は短期入所施設が新たにできたことと、介護老人保健施設が2つオープンしたことで、以前よりは余裕ができてきたのではないでしょうか。
また、平成15年度には新しく特別養護老人ホームもオープンしますので、もう少し利用しやすくなると思います。

Q 横須賀市は、いわゆる西地区に施設が多くて、近隣以外の方々からすると、どうしても移動距離、移動時間が長くなりますし、あまりひとけの無いような場所に施設があるところもあります。
ショートステイを利用するために移動している時、「一体、どこへ連れて行かれてしまうのだろう」と不安を感じたお年寄りがいたなんていう話を聞いたことがあります。でも、実際に利用してみると、どの施設にも長所があり、「行ってよかった」と思うことも多いようなのですが…。
A
<横須賀市役所介護保険担当>
入所するサービスについては、ある期間、そこで生活するわけですから、やはり下見をしていただきたいと考えています。実際に、その施設の雰囲気を肌で感じることは大事なことだと思います。
また、本市では「サービス評価事業」とを行っていて、各サービス事業者にアンケート形式で回答いただいたことを、まとめて資料にしています。
これをご覧いただき、少しでも各事業者の雰囲気を感じ取っていただければと思います。この資料は、長寿社会課と各健康福祉センターで見ることができますが、ケアマネジャーにもお配りしてありますので、相談してみてください。

Q 横須賀市の介護保険の、これからはどうでしょう?平成15年4月に行われる見直しのポイントも簡単に教えてください。
A
<横須賀市役所介護保険担当>
訪問介護(ホームヘルプ)はこれまで、「身体型」「家事型」その中間の「複合型」の3つに分かれていて、それぞれが違う値段になっていました。この区別が分かりにくいと言われていたですが、今回の見直しで、「複合型」がなくなり、「身体型」「生活援助型」の2区分となることが予定されています。
 今後とも、市民の皆様に信頼される制度であるように、これからも頑張っていきたいと思っています。


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